木曜日の話をしよう。
卯刻の家に泊まった私は、夕食を作った。
そして、彼とご飯を食べ、談笑。
その際の話である。
「付き合うってだけ、ただの口約束ってだけで、お互いの裸を見せ合うことが出来るのってすごいよね」
「だって、別に契約書にサインするわけでもなんでもないのに、お互いを信じきって、そういう行為に及ぶわけでしょ?」
「好きって思いって、すごいよね。いいな~」
そう、彼は言ったのです。
私は苦笑いするしかなくて、「確かに、すごいね。不思議だ」と返すのが精一杯だった。
そこで「『付き合う』って口約束がなくても、セックスできる人間もいるけどね」と冗談めいた口調で言った方が良かったのかもしれない。
でも、それはさすがに出来なかった。フラれたすぐあとにそんなこと言えるほど、タフじゃないみたいだ。
彼は何を思ってそんなことを言ったのかしら。
なんでそんなことを言えたのかしら。
私の告白は、彼にとってはどうでもいいものだったのかしら。
そう思うと、ショックだった。
でも、そんなことケロっと言える彼の気持ちに便乗して、その日の夜も行為に及んでしまった。
なんとその日は月経初日だった。それにも関わらず、だ。
私は月経時に腹痛や頭痛等の症状はないので、いつもと変わることは経血が出ることくらいだ。
本当は、月経時は膣内がデリケートなっているから、雑菌を入れると危険でセックスはよくないのですけどね。
彼とのセックスは本当に気持ちがいい。
愛のないものかもしれないけれど、いいよ。
ときどきつぶやく「間違えた」という言葉も、いいよ。
誰と、なんてどうでもいいから。
ただ彼に乗っかって彼に乗っかられて、それでいい。
好きな人と繋がることが出来るってだけで、満足だ。
深く考えたくない。
タオルを敷いて行為をしたけど、少しシーツにも多少経血が付いてしまった。
行為終了後、タオルとシーツを洗濯。
ちょっと情けないな(笑)
ダメね、フラれた翌日にセックスなんて。
虚無感が増すだけなのにね。
でも、こういうのも、悪くないかなって。
セックスし続けたら、どうか私のことを好きになってくれないかなって。
馬鹿なこと考えてるの。
卯刻と家族を作る夢を、まだ見ていたい。
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