秋花にバレることへの恐怖感が増幅していく。
まあ、当たり前か。
秋花の、性交に対する価値観がわからないから、不安。
わたしは自分と相手の関係性は気にしてない。
愛し合ってても、合わなきゃしたくはないし、愛し合ってなくても、合えばしたい。
相手と付き合ってなくても、構わない。
わたしが本当に好きな人と付き合ってる、という場合でなければ、友人とだってしてしまう。
たいして思い入れのない相手とだって、友人の恋人とだって、してしまう。
動物だな。
野蛮だわ。
秋花が事実を知ったら、傷つくかな。
幻滅するかな。悲しむかな。
秋花に嫌われたくない。
秋花を苦しめたくない。
秋花が自分と同じ感覚だったら、きっと許してくれる。
でも、わからないから、怖い。
同じ感覚である可能性は……どうかな、わからない。
普通の感覚じゃない。
少なくとも、一般的に公言できるような感覚では、ない。
こんな奴でごめんね。
秋花、傷つけたらごめんね。
好きでもなんでもない人とも、そういう関係になって、平気な人間で、ごめんね。
ごめんね。
ごめんね。
もしわたしが異性愛だとしたら、結婚とか夢見たんだろうけど、そういうのなくてよかった。
もともと結婚する気なかったけど、自分は本当に結婚には向かないとハッキリわかった。
感覚がおかしい。
普通じゃなさすぎる。
汚らわしいよね。
やめてほしいよね。
汚らわしいよね。
もう、恋愛もできる気しないし、なんか、ねえ。
恋愛はわたしにとって、プラスに働いたことがあったのかしら。
自分が汚くなって行く。
もっとマシな汚れ方したかったよ。
PR