結果的には、指輪は斧野(夫)の物ではなかった。
あの日の顛末を。
ブログを書いてから、買い物するために外へ出た。
そして、決心がつき、秋花へ電話した。
結果、「指輪が落ちていて、見たら中に"* to *"と彫ってあったから、慌てて鞄に入れた」という体(てい)で聞くこととした。
ただし、もし浮気・不倫であると確定したら、自分はどうしたいか、決められなかった。
別れたいのか、あちらが謝れば許すのか、などなど。
とりあえず、帰ったら斧野に聞く、ということは決めた。
その話の中で、「新型コロナウイルスのことがなければ、仕事辞めて石垣島に飛んでるな」と言ったら、「もうそれが答えじゃん!私も行くよ!」と秋花が言ってくれた。
すごくうれしかった。
一緒にいれなかったら、とりあえず家に来てもいい、とも言ってくれた。
本当に、良い親友を持った……。
そして、自宅へ帰り、斧野と対面。
「指輪が落ちてたよ。驚いて鞄に入れちゃった」と切り出した。
すると、「ゲーセンで取ったやつかな?」といきなり絶対嘘だと思うことを言い出した。
「それはないよ。中みたら、"* to *"ってイニシャル彫ってあったよ」と。
「会社の人からもらったかな?」と。
……思い出すと疲れてきたから、続きはまた今度。
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