「可愛いクマ(のストラップ)を付けているね。案外、こういうの好きなの?」
私は大学の友人達の前では強気で勝ち気な性格として通っている。
女々しさなど皆無である。
かといって、女性らしさがないかといえば違う。
服装はフワリとしたパステルカラーが基調のものが多いし、フリルのついた日傘を持っていたりもする。
だが、彼は私が「某冒険とイマジネーションの海で売られているクマのメスのほう」をバッグに付けていることに違和感があるようだった。
「クマなんてお子様が喜ぶようなもの、私が好んで付けるとお思い?」とまでは言わずとも、そんなことを言いそうな雰囲気がするのだろうか。
そのクマは
秋花とお揃いで買ったもので、私には購入意志はなかった。
とはいえ、もちろん嫌いではない。特に好きってわけでもないが。
ただ、それじゃあなんだか詰まらない。
私は「本当はこのクマが好きだけど、キャラじゃないからあまり突っ込まないで頂きたい」という雰囲気を出し、彼に抗議した。
「意外と、可愛いものが好きなんだね」
「そんなこと、ない」
「好きなんでしょ?」
彼の意地悪な表情が、好きだ。
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