昨夜、女友達Aと2人で飲んだ。
なぜ飲むことになったかと言うと、遡ること4日火曜。
私は
笑芽と
君玖と一緒に晩御飯を食べていた。
そこでの話題は、必然的に
卯刻と女友達A、
井達と
湖北のこと。
なんやかんやで、その両カップルが付き合っている状況が思わしくない我々3人。
話の流れで、女友達Aと私がサシ飲みしたらどうなるか、ということに。
私が卯刻と関係を持っていることなど夢にも思わない2人からしたら、状況的に一番サシ飲みしやすいであろう人物が自分だっただけ。
しかし、卯刻からしたら、恋人と浮気相手が2人で飲んでいる、という状況。
これは心臓に悪いだろうな、と思うのだ。
だが、面白い。
話が出てすぐ、女友達Aに連絡を取り、2人で飲むことにした。
それが、昨夜。
私と女友達Aとは対して仲がいいわけではない。
彼女が最近、私達の飲み会に行くようになり、そこで一緒にいるくらいだ。
親近感などない。友情もあるとは思っていない。卯刻のこともあるから、余計にそう思うのだ。
さして仲が良いわけでもないのは、周知の事実であろう。
だが、そんなことは一切気にしないのが私である。
彼女との飲みでは、卯刻についての話題がその9割を占めていた。
それくらいしか、彼女との話題がないから。
本当は、卯刻との話なんか、聞きたくなかった。
惨めな気持ちになることは、容易に想像できたから。
でも、私は彼女から卯刻との話をたくさん聞いた。
楽しげに話す彼女を見て、不快感で胸がいっぱいになる。
彼からのメールを見せたり、惚気話をする彼女。
彼からのメールを見たり、惚気話を聞く私。
私の過去の恋愛話になり、過去の人で浮気されていたことがあることを話した。
そして、私は彼女にこう聞いた。
「もし、卯刻が浮気をしていたらどうする?」と。
悪魔のような微笑みで、私は彼女に聞いた。
しかし、彼女は
「……そんなことありえないよ(笑)」と明るい口調で言うのだ。
私は更に口角が上がるのを耐え、「確かに(笑)でも、『もしも』の話さ」と。
「んー……絶対にすぐ気付くな(笑)」
「そうね、彼にそんな器用なこと、出来ないでしょうね(笑)」
「うん(笑)それに、卯刻が自分から積極的に女性と関わっていくとは思えないし」
「そうだね」――自分から行くことはないよ。でも、来る者拒まず、だからねぇ。
「もし浮気されても、すごく謝られたら許しちゃうかも」なんて言う彼女。
「私は絶対に許せないな。だって、それって裏切りでしょ? 付き合うっていうのはある種の拘束力を持つはずなのに、浮気するなんて信じられないよ。信用できない」なんてのたまうのは悪魔である私だ。
ふふ、そんな愉快な話もして、3時間ほどの飲みは終わった。
その後、笑芽の家へ行った。
もちろん、一人で。
その日の飲みの話をしたり、愚痴を言ったり、聞いたり。
楽しくもあり、つらくもあった。
私の真実を聞けば、彼女は(いや、彼女でなくても)失望し嫌悪し拒否するだろう。
私はそういう状態にある。
それにも関わらず、私は彼女と共に女友達Aや卯刻を批判する。
真に愚かしいのは、私だ。
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