卯刻に、関係の終結を伝えた。
いつも通り、卯刻の家に行って料理を作った。
最後の料理はシチュー。
カボチャ入りの甘いシチューだった。
いつも作りすぎてしまうのだけれど、今回はいつも以上に作ってしまった。
翌日の朝食べても、まだまだあったの。
ダラダラして、お風呂に入って。
最後のアソビ。
彼とのセックスは気持ちよくって、特に最後だから、余計に感じちゃって……。
何度も何度も、達して、吹いて。
いつも私は彼に「大好き」とは言わない。言いたくない。
それは、彼が必ず「ありがとう」と返すから。
自分から「好き」とは言わない。
でも、昨日はね、している最中、「淫乱だね。ottoのそういうところ、好きだよ」と、「好き」という言葉を使ったの。
(なんで最後にしようと思ったときに言うかな)と思ったけれど、まだ関係を続けたいと揺らいだけれど、堪えた。
そして、行為終了後、私は何度も何度も「卯刻、大好き」と繰り返した。
何度も何度も。
彼はもちろん、無言か「ありがとう」と返すだけ。
そして私は、ようやく別れを切り出した。
「卯刻、大好き。大好きだから……今日で最後」
彼は無言で私を見つめた。
「今まで、好き勝手なことして、ごめんね」
「いいよ」
抱きしめて、キスをして、それの繰り返し。
「卯刻、大好き」
「俺も、大好き」
最後になって言うなんて、ズルいよ。
そう言うと、笑っていた。
本当にズルい人だ。
でも、そんな風にさせたのは自分だ。
キスして、抱きしめて、眠りについた。
翌日、起きてからまたして、キスして、抱きしめて、ご飯食べて……。
彼の家から出る玄関口、卯刻との最後のキスをした。
大好き。大好き、大好きだよ。
そして、二度と来ることのない彼の家を出た。
追記に書くべきかとは思うけれど、オマケという意味で。
朝、私が以前女性と付き合っていた事実と、両性愛者であることをカミングアウトした。
受容はしてくれた。
「君のことは男性として好きになったよ」と言うと、笑ってた。
大好きだよ、卯刻。
巻き込んでごめんね。
大好きだよ。
さようなら。
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