「あちらが付き合う気になるまで待とう」と決意してから24時間以内に付き合いはじめました。
笑っちゃうわね。
では、11月29日(木)の出来事をお話しましょう。
学校で勉強後、
笑芽と
湖北、それから女友達Aと夕食へ。
そこで女友達Aから
卯刻と別れた話を聞いた。
彼は本心(好きでなくなったこと)を告げず、そこまで重要でないこと(遠距離)を理由に別れたのだ。
そのため、彼女は納得出来ない様子であった。
ちなみに笑芽と湖北はいきなりのことだったから驚いていた。
その後、皆と別れて卯刻に会った。
やはり疲弊している様子。
彼と2、3時間お茶した。
「どうしたら上手く振れたのかな」と彼。
今後のことを考えると相手を傷付けずに別れたいと思うのはわかる。
しかし、結局片方が別れを望んできゃ、どんな理由であれ傷付けることになるのだ。
ならば、本心を言うべきだとも思う。
でも、彼の別れ方が間違いだとも思えない。
別れ方に正解も不正解もないと思うのだ。
そして、帰り際。
彼に聞いてみた。
「いつ頃、私と付き合いたいと思うのだろうか?」
「いや、“付き合いたくない”ってわけじゃないんだよ……でも……すぐ付き合うのは……」
「女友達Aに対して、申し訳ない?」
「いや、それはない」
随分と強い調子で言われたので驚いた。
「じゃあ、なんで?」
「なんだろう……なんでかな……」
彼は自問自答し、最終的に出た答えが
「束縛されたくない」というもの。
「女友達Aとは常に一緒にいた。毎日『明日はどうする?』とメールが来た」それが煩わしかったようだ。
「また、付き合うことで周りに“セット”と思われるのが嫌だった。例えば学校帰り、友人と帰ろうとするとそいつから『女友達Aと一緒じゃなくていいの?』と言われる。この問いは付き合ってる以上するのが妥当とは思うし、俺も逆の立場ならしている。だが、それが嫌だった。帰るのにもいちいち許可を貰わなくてはならないのか、と」
つまり、直接的な束縛と間接的な束縛、その両方の束縛が彼を苦しめた。
だが、それが理由なら話は早い。
「私は毎日明日の予定を聞くことはないよ。君は講義がなくても大抵学校に来ているだろう? 確認する必要がない」
「そうだね」
「また、私たちが付き合ったとて大学の友人らには
言えないんだ。つまり、待ち合わせて一緒に行くなんてこともない」
「むしろ一緒にいたほうが不自然、か」
「そう。だから、翌日の予定確認なんか不要なんだよ」
私はさらに続けた。
「周りに知られないということは、周りから“セット”で見られることもないということだ」
「そうだよね。『一緒に帰らないの?』なんて言われない。むしろ毎回一緒に帰ってるほうがおかしい」
「そういうことだ」
ここまでくれば話は早い。
「そうか、付き合っても夏くらいな感じになるってだけか」
「そうだな。関係的にはあの頃とそこまで変わらない。ただ、私の気持ちが変わるだけだ」
行けるか、と思ったが彼はまだ決心つかず。
「3月までっていう期間限定なのが……自分勝手かなって」
「それで良いと言っている。でも別れる際のことを考えて、煩わしくなりそうだから嫌だと言うなら仕方ない」
「そうなんだよね。別れを言えるかな」
「……いや、ならば別れは私から切り出そう。私の気持ちがどうあれ、私は別れを実行する。大丈夫だ、あと4ヶ月ある。その間に君と別れることを決意できるだろうよ」
「それならいいかもね」
そして、私は言った。
「さて、そんなわけで、私と付き合う?」
彼は答えた。
「俺で良ければ」こういうわけで、無事、お付き合い成立。
そのまま彼の家へ行き、泊まっちゃいました。
大学の友達には秘密の関係。
私も卯刻もは恋人がいない体(てい)で皆に接することになる。
ただ一つの懸念は、笑芽。
他の誰にバレたって、彼女にだけはバレたくない。
彼女に嫌われたくはないから。
私が束縛しなけりゃ、大丈夫。大丈夫だ。
きっと。
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