昨日の続き。
篤太とのこと。
篤太は友人だ。大切な友人。
昨日、彼から告白された。
告白されはしたものの、態度から予想はできていたので、驚きもしなかったし、特別嬉しいというわけでもなかった。
「知ってる」――ただ、それだけ。
そりゃあ、嬉しくはあるけど。(「特別」嬉しいわけじゃない)
それで、どんな状況で言われたのかと言いますと。
二人で図書館へ行き、帰りに人がまばらなデパートの屋上へ行ったの。
そして、彼とベンチに座って適当にお喋り。
途中私は彼の手を繋いだ。
最近は彼に対して、スキンシップが激しいため、もちろんこちらに他意はない。
その状況で、私はさらに彼に対して
「好き」だと何度も言った。
もちろん、冗談で。それとわかるように。
そして、私は彼から告白された。
「ottoさんが好きだよ」
「……本当に?」
「本当に」
「私も好きだよ。でも、篤太に対する感情は恋愛じゃない。
恋愛にしたくない」
そう答えたにも関わらず、私は彼にキスをした。
日はだんだんと暮れ、雰囲気もそれなりによかった。
簡単に言えば、私はムラムラしていたのだろう。
相手は男だったが、篤太なら関係ないと思った。
「付き合うとか、今の関係を変えるのは嫌だ。でも、
キスしたい」
篤太はこう返した。
「別に、嫌いじゃないなら、好きでいてくれるならなんでもいいよ。キスも……むしろ、したい」
そして、私は篤太にキスをした。自ら。
篤太にとっては初めてのキス。付き合ってもいない女友達からされるというのは嫌かなと思ったのだが……彼は
「好きな人なんだから、いいに決まっている」という。
キスした感想だけど……
何も感じなかった。
「あまり」、と付け加えるべきか。
栖楠さんといろいろしたときには本当に何も感じなかったけど、篤太とも大差ないくらいだったな。
でも、首を舐めたり耳を舐めたときは楽しかった。篤太が可愛くて、抱き締めたくなった。
キスは、正直ドキドキもしなかったし、気持ちよくなれなかった。
篤太の方は違ったみたいだけどね。
初めてのキスでドキドキしないわけがないよな。
もしかしたら、これも規制しているだけなのか?
恋愛感情を抱きたくないのかな。
あー、わけわかんねぇ!
どういうこと!? 意味不明だよ、自分!
とりあえず、篤太とは
今は友達です。
恋人にはしたくない。きっと、恋人にしたら別れちゃうから。嫌いなところばかりを見ちゃうから。
もっともっとお互いのことを理解しあって、もっともっと一緒の時間を過ごして、好きなところも嫌いなところもきちんとわかって、こっちもわかってもらう。
まだ、出会い始めたばかり。
これからもっと、仲良くなりたい。
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