……また、やってしまった。
卯刻に酒を飲ませ、理性を一切なくさせてしまった。
今、私は卯刻の家に泊まっている。
現在進行形で、だ。
最初は一切、酒など飲ます気はなかった。
だが、私の欲が、負けてしまった。
ジュースに少量のアルコールを混ぜ、飲ませた。
すると彼は自らアルコールを欲し、缶チューハイを飲んでしまったのだ。
きっと彼はただのジュースでないことに気付いていた。
私が推測するに、アルコールが少量でも入れば彼は理性をなくす。
その後アルコールを追加したのは、記憶をなくすためだ。
とはいえ今朝の感じでは、記憶があやふやであるものの、残っているようなのだ。
多分、こちらがこれこれこういうことをしたと説明すれば、ハッキリ思い出すのではないかと思う。
そうそう、遠距離恋愛中の彼女とは“一応”仲直りしたようだ。仲直りという表現が適切かは置いておいて。
これは、少々困った。
うーん、悩ましい。
そして、「俺は誰とも付き合わないほうがいいのではないか」とも漏らしていた。
今の酒癖が直らないなら、誰とも付き合わないほうがいいとは思う。
……はあ。
ため息をついてしまうよ。
私は彼をどう思えばいいかな。
このまま、ただ酒に酔った際に体の関係になってしまうような、ぐだぐだな関係のまま行くか。
真剣に思いを伝え、玉砕し、今まで通りに過ごすか。
まったく、やだやだ、こんな悩みは。
くっつきたかったな。
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