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同性愛者よりの両性愛者、ottoのブログ
初来訪の方はi am....あらすじをご覧下さい。
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昨夜、ペルセウス座流星群が観測できたのをご存知ですか?
(正確にいえば、昨夜がピークで、まだ見れるみたいですけどね。)
私は某SNSでその情報を知り、夜中卯刻に「起きてる?」とメールをした。
すぐに「起きてるよ」と返信があったので電話した。

「今、空見える?」
「見ようと思えば、見えるけど」
「今日はヘルペス……いや、ヘルペウス? よくわからないが、なんとか流星群があるらしい」
「だからか!」
「? なにが、『だから』なの?」
「見えたんだ、流れ星が。姉は2度も見たと言っていた」
彼はすでに流れ星を見ていたよう。

それから、一緒に星を見ることに。
「どの方向を見てるの?」
「うーん。月が見える。北、かな?」
「月……私の位置からだと、見えないな」
移動して、月が見えるところまで行くことにした。

その時間の月はずいぶん低くて、弓状だった。
「月、見えたよ」
「同じ月を見ているんだね」
「そうだね」
「不思議だな。日本中、どこにいても月は見えるんだね」
「確かに」
なんてロマンチックなことを、彼は言うのだろう。
別の場所にいても、同じ月を見れることに喜びを感じていた。

「……いや、日本でなくても見えてるよね。今、夜の国ならさ」
水を差すようなことを言う、可愛くない私。
「まあね。でも、日本にいるなら、確実に見えてるだろ?」
「そうだね。日本なら、確実に見えてる」
天気が良ければ、と付け加えようかと思ったけれど、さらに水を差すことはないと口をつぐんだ。

北方面を見上げる私たち。
「流れた!」
「え、嘘!? ……あ、流れた!」
「マジ!?」
なかなか一緒の星は見れなかったけど、同じ空を見ているのだと思うと、それだけでうれしくなった。

星を見ていると、彼が言う。
「流れ星に願いを、って言うけどさ、あんな短い間に3回も言うことなんて不可能に近いよね」と。
「そうだね、無理だよね」
「だからさ、思うんだ。流れ星が流れて、そしてすぐにその願いを思えるような、そんな強い気持ちがあるなら、その願いを叶えるために行動できる。だから、願いが叶うんじゃないかなって」
卯刻はときどき、いいことを言うなと思う。素敵な考えだなと思った。
強い思いを持ち行動に移せる人が、願いを口にできる。願いを叶えられるのだ。
「俺は無理だけどね」なんて彼は言ってた。

そして、1:32頃。
北々西の方向に、流星痕を残すほどの一際大きな星が流れた。
「「見えた!」」
それが、二人が一緒に見た唯一の流れ星。

二人とも願い事は言えなかった。
けれど、私は卯刻と一緒に見れたことが、卯刻と一緒の星を見れたことが、うれしくて。
とっても幸せな気持ちになれたの。
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差別も侮蔑も、痛くない。
何故って、ここは現実じゃないんだもの。


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