今年の抱負は
「好きな人に関する嫉妬でイライラしない」
だった。
しかし、新年早々、その抱負は達成できなかった。
秋花の日記に「
相方の家に帰った」と書いてあった。
「
相方」という言い方に酷い不快感を覚えた。
波くん(恋人)のことであることは明白である。
何故「相方」なんていうのか。
友人の歌津は高校でできた親友のことを「相方」と呼ぶ。
そのせいか、私の中で「相方=親友」というイメージが強い。
(バンギャルがいつも一緒にライヴへ行く人、ってイメージも強いが)
秋花が「相方」と表す相手は、
私ではなく波くんらしい。
それがショックだった。
「奴」とか「相方」とか、代名詞を使われると嫌なんだ。
「特別だから」と言われてるような気がしてならない。
まだ「彼氏」くらいならいいんだ。
イラッとはするけど、そこまでじゃない。
波くんが嫌いだ、大嫌いだ。
前に、秋花から
「友情と恋愛じゃ、ジャンルが違うから『どれくらい好きか』っていうのは比べられない」と言われたことがある。
波くんじゃなく、秋花が好きな人と私を比べて、
「同じくらいだけど」と言われたあとに続いた言葉だ。
でも、それは
都合のいい言い訳だ。
「好き」に種類はあるかもしれないけど、思いの強さにジャンルわけなんてないよ。
でも、
その言い訳を最初にしたのは私だね。
今はあのときと立場が逆転したんだ。
秋花は覚えているだろうか。
私がそういったとき、
「私は『好き』の大きさは友情でも恋愛でも変わらない」と答えたことを。
今まで、いろんな人を同時に好きになった。
秋花に対する思いだけはいつも強くあった。
友愛か恋愛かなんてわからない。
そんなのはどうでもいい。
だって、どんな形であれ、私も秋花も
友達という関係以外にはなれない。
それがわかってるから、去年の二月、キスはしたけどただそれだけだった。
愛がどんなに強くても、拘束できない。実際にしたいとは思わない。
どんなに愛していても、周りにはまったくわからない。本人はどれくらいわかってるのだろう。
つらい。
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