「オンナはみな女優だ」
なんて、誰かが言っていたような気がする。誰もが思っているような気がする。
セックスしていて、どうにも気持ち良さを感じられないときというのがある。
そんなとき、「演技」をしてしまう。
決して「気持ち良くない」なんて言わない。
感じたフリをして、喘ぎ声を出し、体をよじらす。
相手を達させることができればそれでよい、と考えるのだ。
そのための「演技」である。
では毎回演技なのかと言われたら、もちろんそうではない。
そうではないけれど、「演出」として、喘ぎ声を大きくしたり、身をよじらせたりする場合がある。
自分も気持ち良くなっていて、更に気持ちを高めるために行うのだ。
だから、行為自体が嘘の「演技」ではなく、行為をより盛り上げるための「演出」。
もし演技も演出もしなければ、無言でだってセックスはできる。
そんなの、つまらないじゃないか。
だから、演技なり演出なりをするのだ。
そんな話をしたあとに、攻められながら「これは演技?それとも演出?」と質問されたこともあった。
私は「普段強気な女性が魅せる弱さ」が好きで、自分でもそれを演じている。
だから、その質問をされた際、はじめは「演技だよ」と余裕な表情で言うのだが、次第に堕ちていき、最終的には「嘘。演技じゃない」、と。
もちろん、この一連の流れが演技である。
私の演技力など高が知れているので、気付いているかもしれないけれど、ね。
行為中の演技にツッコミを入れるような野暮な性格はしていないさ。
本気で気持ち良くても「演出」をしてしまうから。
どうしても“ニセモノ”な気がしてしまう。
裸なのに、壁を作るような、そんなセックスをしてしまうのだ。
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