卯刻は、
笑芽からの告白をきちんと告白だと受け取っていた。
笑芽は去年の5月末、卯刻に告白した。
私はその場には居合わせていなかったが……というか、私もそのとき、柄盾に告白されていたのである。
2012年5月30日の日記「
痴漢と告白と喧嘩と浮気」「
飲酒とキスと嫉妬」にちょこっと書いてある。
私はその後、卯刻から笑芽に告白された旨を聞いたことがない。
彼は私に一回も告白されたことを言ってないんだ。
だから、彼は笑芽からの告白を告白として受け取ってないんじゃないかと思っていたんだ。
笑芽曰く、はっきりとは告白してない風だったし……ね。
だが、そうではない。
彼は私に隠していただけのようだ。
というか、厳密には今も隠している。
「隠してる」なんてマイナスな言い方はないか。
言えないというか、言ってないというか。
なぜ私がそう思ったかと言うと。
ホワイトデートの日、ファミレスから出て車内での会話。
なぜ卯刻は私の告白を2度も断ったのか、という話題に。
「1度目はまだカノジョ(3代目)と付き合ってたからね」(※私は5代目)
「そういえば、そうだったね。でも、もう別れる間際だったじゃあないか」
「そうだけど、まだ付き合ってた」
「ふうん。じゃあ、2度目(7月上旬)は? カノジョとは6月下旬で別れていたじゃあないか」
「……なんでだろ。……あ、そうだ、あのとき俺もいろいろあったんだよ。君の知らないところで」
「私の知らないところ? なんだろう」
「教えな~い。それが関係して……ね」
「んー? 7月でしょ? 私、告白したときタイミング最悪だったのは知ってるよ」
「え?」
「私が告白した前日、卯刻は
君玖から女友達Aが君を好いている事、伝えられていただろう?」
「なんで知ってんの!?」
「後日聞いたのさ……。もうそれ聞いたときは『最っ悪!』と思ったね!」
「へえ~、嫌だったんだ?」
「当たり前だよ。もう、最悪」
「ふふ。……あれ、でもそれだと
アレは7月上旬じゃあない。……いつだ? ねえ、ottoが初めてうちに来たのっていつだっけ?」
「ん? 一人で? 5月末だよ。私が終電逃して卯刻の家行ったときでしょ?」
「じゃあ、そのときかな……」
「……ああ、きっと
ソレ、5月末だよ」
「そっか……って!?え!?なに、なんで、知ってんの!?」
「……あ。いや、知らないよ? 私もちょうど、その日イロイロあってね。それでね」
「知ってるの!?」
「さあ。知らない。ってか、知らないってことにしといて」
「……なんか手のひらに転がされてるような気がする」
と、わかりづらい会話文ばっかですみませんでした。
卯刻→私の順です。
卯刻は笑芽から告白されて、それが影響して私の告白を断ったんだろうね。
ってか、私が告白しなかったら笑芽が付き合えた可能性あるってことよね?
……んー、どうなの? そういうわけでもないの?
どうなんだろ。
笑芽の告白を断った理由は聞いてないのよね。
告白されたことも聞いてないから。
でね、卯刻曰く2度目の告白を断った理由としては
「ottoとはずっと友達で、今まで仲良くなってから付き合ったことってなくて。だから、イメージが付かなかったんだ。それで、仲良くなってからさほど日が経ってない女友達Aのほうがいいかなって」
ということらしい。
日が浅すぎたわね。
最初から私にしておけばよいものを。ふふん。
でも、まあいいか。
今は私を好きなわけだし。
ふふふん。
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