痴漢に遭った。そして、
逮捕した。
警察に事情聴取のため7~8時間拘束された。
そんな日の話。
解放後、まだ受けられる講義があったため大学へと足を運んだ。
講義が終わり、
君玖と
卯刻と
篤太と一緒にご飯を食べることになった。
その帰り、篤太は私に「話がある」と告げ、引き止めた。
何かと聞こうとしたとき、私は携帯に着信があることに気づき、かけ直した。
柄盾からの着信だった。
簡潔に書けば、彼が私に対する思いは誠実なもので、もう浮気やその他をする気は毛頭ない、これからどう更に改善をしていくことが良いか、とのことであった。
彼は本当に私を好いてくれているらしい。
それについては非常にうれしく感じた。
しかし、私は彼を恋人にも、恋人のような相手としても取り扱う気はない。
なぜなら、彼が本気である以上、私は彼に対しては真摯な対応を心掛けたいと思っているからだ。
そんなこんなで、数分彼と話した後、篤太に引き止めた理由を聞いた。
私は痴漢されたこともあり、帰りに送っていく云々の話かと思っていたが、予想の斜め上を行く回答を頂けた。
「もう俺に話しかけないで」
4人での食事中の出来事で、私が彼に対し放った冗談が、彼を深く深く傷付けてしまったらしい。
私は“とりあえず”謝った。
私が彼の性格を理解できず、彼の心に傷を付けてしまったことは確かに私に非があるとしか言えない。
だから、謝った。
しかし、あんな冗談に対して、もうすでに別れてしまっている私に怒り巻き散らかすというのは少々理解に苦しむ。
そこが、納得行かなかった。
だが、事細かに説明したところで、彼が気持ちを更に害するだけだ。
また、そんなに優しい気分にもなれなかった。
なんせ、すでに7~8時間も拘束された後だ、これ以上私の時間を誰かに割いてやる気はない。
だから、「ごめん」と言い、スタスタと自分の乗る電車のホームへと去っていった。
しかし、なんだか気が収まらない私は卯刻に連絡し、戻ってもらった。
そして愚痴を聞いてもらうことに。
今までの篤太に対する思いを暴露し、すっきり。
もう、彼に対して未練が一切なくなった。
そして、なんだかんだで終電を逃してしまった。
卯刻は私より終電が遅いので、一人暮らしの彼の家へ行くことになった。
そこで私は彼に飲酒させ、彼の理性をなくさせることに成功した。
とはいえ前戯まで。
そこはまだ理性があったようだ。
しかし、起床すると記憶がないよう。
本当にないかはわからないけどね。
楽しかったなぁ。
ただ、寝起き早々にキスした彼から放たれた
「間違えた」との言葉には少々傷ついたがね。
そんなある一日のこと。
いろんなことがありすぎて、疲れました。
でも、それ以上に楽しかった。
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