「
友情と抜け駆けと浮気」男友達Bを
繰句としよう。
繰句とはそれまでほとんど交流はなく、前に1回皆で飲みに行ったことで交流を持つようになり、泊まりの一件で更に仲を深めた。
そうそう、泊まりの際に繰句と私が中心となり少しハチャメチャな行動に出たのである。
少しだけスキンシップが激しくなっただけだ、大したものではない。
とはいえ、反省はしているけどね。
ということで、お互いがなんとまあ、軽い人間であると理解した私達であったのだ。
そして彼と電話をすることになったのだが、これがまた下らないのだ。
生産性が一つもない、下らない内容。
しかし、とても楽しかった。
1回目は2時間、2回目は3時間程度話してしまった。
いい友人に会えた。(これは皮肉だ)
こんなに下らない人間、そしてこんな下らない自分の人間性を出せる人間、そうそういない。
話が進むにつれ、二人でサシ飲みすることになった。
今月半ば、飲もうとね。
お互い、一線越えるか越えないか予想できなくて、でもすっごく楽しみにしているのである。
なんとも、軽い二人だ。
私はいつからこんなに軽くなったのか。
そういえば、最近
井達とも電話をして話したのだが、以前井達と浮気をしたときのことを彼は「完璧に割り切った関係」で「罪悪感はない」と言う。
それは良かった。
私も同じ思いだったから。
井達は私の性的指向を知る数少ない友人であるから、私に対する感情は「友情」以外のなにものでもない。
お互い、恋愛感情が一切ない、ただただいちゃつきたかっただけの関係。
軽いけど、この軽さがとても楽。
そうそう、二人と電話してるとき、ある同様の話題が出た。
「ottoは誰か気になる人や好きな人は出来ないの?」と。
私が軽いのは、今本命の恋愛対象がいないからであり、私に本命の相手が出来れば改善される、と私が言ったからだ。
とはいえ、「
卯刻が好き」とは言えない。
この思いは、少しゲーム感覚であるから。堂々としていない想いだから。
後ろめたさが、少しある。
加えて、井達は卯刻に思いを抱く
笑芽や女友達Aの存在も知っている。
彼女達を差し置いて、私が彼を好くということ、彼を自分のものにしたいということをいうのは……。
誰に対しても、本当のことは言えない。
これは、孤独か。
自らが招いた秘密は、孤独なのか。
一体、私のような不誠実な人間を、誰が好くというのか。
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